未来に備える

名無しの音楽が生まれる日――Windows Media Playerの沈黙とは

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今朝、X(旧Twitter)で見かけた一つのニュース
『Windows Media Playerのアルバム情報取得が終了したらしい』
というつぶやきや関連情報に、「えー!不便!」という感情がわきおこったと共に
たまらなく寂しい気持ちになりました。

「Windows Media Player」で、CDのアルバム情報が取得できなくなっているというのです。
XやYahoo!知恵袋などのコミュニティサイトなどを見てみると、2025年の末頃から多くのユーザーの間で「CDを入れても、曲名もジャケットも出てこない」という声が上がっていました。

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削ぎ落とされてきた、音楽の余白

振り返れば、CDが主役だった頃、音楽にはもっと多層的な楽しみがありました。
ケースを開け、ブックレットを取り出すとそこには歌詞だけでなく、印象的な写真や、レコーディングの裏話、アーティストのメッセージなどがぎっしりと詰めこまれていました。

もりの
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それを読みながら音に耳を傾ける時間は、まさに至福。

しかし、デジタル化の波の中で、そうした余白は真っ先に削ぎ落とされていきました。
CDから曲を取り出すだけの作業は、どこか効率重視で味気ないものに変わってしまった...
それでも、「曲名やジャケット画像が自動で表示される」という便利さが、その味気なさを辛うじて補っていたのだと思います。

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突然、機能を失った音楽の窓口

もりの
もりの

その最後の砦だったメタデータ(楽曲情報)さえも、
消え去ろうとしているのでしょうか。

仕様が変わった? Windows Media Playerやメディアプレーヤー、CDの楽曲情報取得が不可能に【やじうまWatch】
Windows Media PlayerやメディアプレーヤーといったWindows標準の音楽アプリで、CDを読み込んだ際に楽曲情報を取得する機能が使えなくなっていることが判明し、物議を醸している。

やじうまWatchなどの記事でも見られますが、
多くの人が「名無しのTrack 01」を前にして呆然としています。

かつてはCDを読み込めば曲名までサクッと取り込めていたのですが、
裏側でデータを支えていたサーバー(musicmatch-ssl.xboxlive.com)からの応答がなくなっていることが原因のようです。

これが意図的な仕様変更なのか、一時的な不具合なのかはまだ分かりません。
私たちが長年信頼してきたインフラが、突然何も告げずに沈黙してしまうことには
恐怖感すら覚えてしまいます。
何かしらのアナウンスがあることを願っています。

とりあえずの対策として

WMP以外のアプリやサービスを利用する、という方が多いようです。

  • MusicCenter
    • SONY提供のPCアプリ。自動でアルバム情報を取得後の手動編集もラク。
  • iTunes
    • Apple提供のPCアプリ。WindowsPCにも対応。
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データはあるのに意味が消えるという恐怖

前回の記事で、私はデジタルは意志を持って残さなければ消えてしまう、と書きました。

今回のWMPの問題は、また別の視点からデジタルの脆さを浮き彫りにしています。
それは、「データ本体(音楽ファイル)は手元にあっても、それを説明する情報(メタデータ)が失われると、文化としての価値が半減してしまう」ということです。

曲名もアーティスト名も分からない「Track 01」というファイル。
それは果たして、あの時大切に聴いていた曲と同じだと言えるでしょうか?
偉大な曲を生み出してくれたアーティストたちの尊厳は消えてしまうのでしょうか。

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不便にされていくデジタル文化

私にとっては、WMPはもともと標準搭載でいつもそこにあるものでした。
しかし今のWindowsでは、機能がアプリ化され、切り離され、気づかないうちに古びた機能として整理されています。

インフラの老朽化によって、私たちの思い出やライブラリが不便なものに変えられていく。個人ではどうすることもできない場所で、状況で、変化だけが先走って不安やとまどいを生んでいます。

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私たちは、今ある文化を守れないのか?

CDという物理メディアは手元にあるのに、それを豊かに楽しむためのネット上の仕組みは、簡単に消えてしまう。
今回のニュースは、便利さとデータ依存のリスクを教えてくれました。

CDなどの音源はオリジナルを手放さないこと

できることのひとつは、CDなどのオリジナル音源を手放さないこと。
スマホやプレーヤーに取り込んだものは、それはそれで楽しんで、
元のデータはきちんとした保管方法で持っておくことが良いかと思います。

何を残すか、何を捨てるか見極める

仕組みが動かなくなっても、自分が大切にしてきたものが何であったかを忘れない
文化という大きな枠組みでの話だけではなくて
私たち個人の好きなものを大切に守っていくために、「削ぎ落す」「捨てる」ことと
何を「残していく」のかを見極める力を身に着けて行きたいものです。

手打ちで音楽データを整理することも、ひとつのいい体験

自動で全部取り込んでくれていたのは便利ですが
聴きなおしながら音楽の背景を調べながらアルバムや曲情報を手打ちする…
そんな体験もけっこういいものだと思います。
これもひとつの「片付け」「整理」と言えそうです。

この記事を書いた人
杜乃ねこ

杜乃ねこ

ずぼらだけど、片づけ上手 暮らしと記憶を整えるライフログアドバイザー 収納・インテリアの工夫や、 日々の小さな思い出を残すのが好き 夢はオリジナル手帳づくりと、 ネイチャー番組のナレーション

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