2012年、ブログで「胸が高鳴る」と書いた記事があります。
日立製作所と京都大学が発表した「石英ガラスに数億年データを保存する技術」のことです。

もりのあれから14年。ニュースを目にしてびっくりしました。
📰ニュースソース
PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2087385.html
「Microsoft、安価なガラスでも1万年データを保存できる技術」
ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2602/20/news061.html
「Microsoft、数万年持続するガラスストレージ『Project Silica』」
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20260219-microsoft-research-project-silica-advances/
「Microsoftの『ガラスにデータを1万年以上保存する技術』が進歩して家庭用ガラスにもデータを記録可能に」
時代と研究の流れ
私が初めて目にしたニュース、日立と京大の研究とMicrosoftの研究は別物らしいのですが、失礼ながら同系統ととらえさせていただき、現在公になっている情報で経緯をまとめました。
石英ガラスの内部にレーザーでデータを書き込み、1000℃で加熱しても劣化しないことを確認。「数億年データ保存が可能」という研究発表。
Microsoftが独自に「Project Silica」として研究開始。
ハーバード大学・東北大学などとも連携。
Microsoftが映画「スーパーマン」を手のひらサイズの石英ガラス板に保存・再生することに成功。概念実証として公表。
研究成果が学術誌『Nature』に掲載される。12cm四方のガラス1枚に最大4.8TBを保存、290度の環境下でも1万年以上データが維持できることを実証。

14年前の日本の研究発表時から何が変わり、新しくなったのか
これまで高価な石英ガラスでしか機能しなかった技術が、普通のホウケイ酸ガラス(耐熱グラスや調理器具に使われている素材)でも使えるようになったことが最大の突破口のようです。
コストと入手性という商用化への壁を一気に崩した発表、というのが最新情報の最大の価値かと。
ただそうはいっても、Microsoftは「研究フェーズは完了した」としつつ、商品化のロードマップや製品開発の計画は示していない状況です。(かつて、日立も同様のスタンスでした)科学的な成果として論文を公開し、他の研究者が活用できるようにした、という位置づけのようです。
つまり、実現化しそうというより「科学的な証明が完成したから、次は誰かが実用化する番だよ」という段階というのが正しいようです。Microsoftのブログ記事を一次情報として載せておきます。

あとがき
日立も、長くデータの記録媒体を作り続けてきた企業です。フロッピーディスクやハードディスク、光ディスクと、時代ごとの「のこし方」を支えてきた。その日立が2012年に発表したこの研究は、単なる新技術の話ではなく、記録媒体を作り続けてきた企業としての、ひとつの到達点だったのかもしれません。
そして最新研究の成果を発表したMicrosoftもまた、OSやソフトウェアで私たちの日常の作業を支えながら、「人類の記録を遺す」という壮大なテーマに向き合い続けています。
そのMicrosoft社のOSで作業しながら、この記事を書いている午後。
個人の「のこし方」を考え続け、偉大な技術者たちの研究とニュースを追い続けている私。
なんだかおかしくて少し不思議で、じーんとしています。

